カイロの地下鉄、日本製車両導入 自動運転装置を装備

 エジプト・カイロ市内とカイロ空港を結ぶ地下鉄3号線(全長約34キロ)の第1工区(約4キロ)が完成し、21日、市内東部アバッセイヤ駅で開通式が開かれた。近畿車両、東芝が製造した日本製の車両を三菱商事が納入した。

 
 カイロの地下鉄としては初めて自動列車運転装置(ATO)を備えており、運転士がボタンを押すだけで発車から減速、停車まで自動運転できる。車内にはエアコンも導入された。


 開通式の後、試乗したサイード運輸相は「快適な乗り心地だった。次の工区には、日本との技術協力で国産車両を投入する」と語った。


一畑電車100年、一部の車両を南海電鉄カラーに 島根

 一畑電車島根県出雲市)はグループ創立100周年記念で、南海電鉄大阪市)から購入し現役で走り続ける一部の車両(2両編成)を、当時の南海カラーに復元する。デザインを懐かしむ鉄道ファンが多いことから企画した。3月31日にお披露目の運行をする。


 車両は3000系と呼ばれ、南海では21000系「ズームカー」として親しまれた。平野部を高速で走り、急な上り坂でも力を発揮する。南海では、淡い緑に濃い緑のラインが入ったデザインが特徴で、1958年の製造から97年まで活躍した。一畑は60年に製造された車両を、96年に南海から購入した。黄色に紺色のラインが入ったデザインに塗り替えて使っている。


 一畑によると、南海では走っていないため、鉄道ファンが見に来たり、南海時代を知る観光客が懐かしんだりすることも多い。今回は、数年ごとの車両の塗装時期を迎えていたことから社員が発案した。当時使っていた塗料の種類などのデータも、南海から提供してもらい実現したという。


富士急行線に新型車両「6000系」導入、2月29日「富士急の日」に運行開始

 富士急行(本社:山梨県富士吉田市)は、2月29日(富士急の日)より、新型車両「6000系」の運行を開始する。運行路線は富士急行線の大月〜河口湖間。編成数は3両×4編成で、3月までに2編成、平成24年度内に2編成導入する。


 新型車両全体のデザインは、同社の観光列車「富士登山電車」等のデザインも手がけたデザイナー・水戸岡鋭治氏によるもの。新車両の外観は富士山をイメージしたブルーを基調としたもので、内装には床やつり革など随所に木を使用し、シートはオリジナルのモケットとするなど、通勤型車両としてこれまでにない居心地の良さを目指した”新しいローカル列車”の形を提案している。通勤・通学として利用する顧客の他、富士五湖方面への観光客にも楽しんでもらえる車両となっている。


 富士急行では2月29日を「富士急の日」として日本記念日協会にて認定を受けている。229(フジキュウ)の語呂にちなんで、4年に一度の2月29日にはさまざまなキャンペーンを実施している。今回の新型車両の営業運転は、この「富士急の日」に合わせて開始することとした。なお、3月18日には、鉄道ファン向けのデビュー記念イベントとして、車両撮影会やグッズ販売会も開催する予定。


つぶやきを解析、電車の遅れ速報 東芝が新サービス

 利用者が今の状況や気持ちを短文でネット上に書き込む「ツイッター」を分析し、電車の遅れなどを知らせるサービスを東芝が開発した。「○○線が遅れてるよ」といった生の声を集めることで、鉄道会社の発表より最大20分早く情報が得られるという。


 ツイッターは、利用者がパソコンや携帯電話から140字以内の「つぶやき」を書き込み、その情報を共有できるサービス。日本では月2千万人以上の利用者が「××駅なう(今××駅にいる)」などと現状を報告し合っている。


 東芝の技術は、ツイッターへの投稿から路線名が含まれるつぶやきを抽出し、文章を分析。「遅れている」「止まっている」といった趣旨のつぶやきが集中して現れると、その路線の運行が遅れていると判断して利用者に注意を促す仕組みだ。遅延情報が出るタイミングは、鉄道会社の発表に比べ平均10分程度、最大で20分程度早いという。


リニア京都駅誘致「無理がある」 JR東海社長

 JR東海の山田佳臣社長は15日の定例記者会見で、京都府などが求めているリニア中央新幹線の京都駅誘致について「なかなか無理があるのではないか」と否定的な見解を示した。大阪の新駅については「新大阪に持っていくしかないと考えている」と述べた。


 2045年に開業予定の名古屋―大阪間のリニア中間駅誘致では、奈良県が先行。国が認可した整備計画では「奈良市付近」と明記しているが、京都府京都市は10日、経済効果が高い京都駅を通るルートを求める提言書をJR東海国土交通省に出した。


 山田社長は「全国新幹線鉄道整備法に基づいて手続きを踏み、運輸省(現・国交省)の告示でここを通ると明示されている。ルールを逸脱する話を促されても、相手が違う」と話した。しかし、国の整備計画について「奈良市付近としか書いていない」とも述べ、奈良市に隣接する京都府南部への含みを残した。


なんば駅直結、154メートルビルやで 南海電鉄

 南海電気鉄道は16日、本社が入る南海会館ビル(大阪市中央区)の建て替え計画の概要を発表した。なんば駅直結の地上29階建ての複合高層ビルで、海外からの医療ツーリズムに対応したメディカルセンターなどを誘致。関西空港からのアクセスの良さを売りものにする。


 ビルは延べ床面積7万8千平方メートル、高さ約154メートル。上層部は賃貸オフィスで全体の7割超を占め、中層階にメディカルセンターや多目的ホール、低層階に伝統芸能が体験できる常設小劇場、商業施設などが入る。2016年春に着工し、完成は19年春の予定。総事業費は400億円。


 建て替えに伴い、本社機能は、約900メートル南で建設中の新ビル内に来春にも移る。


初代「のぞみ」300系引退へ 3月16日ラストラン

 東海道・山陽新幹線で1992年に初代「のぞみ」としてデビューした300系車両が3月16日に引退する。JR東海は16日、現役の2編成に「ありがとう」「LAST RUN」などと描かれたステッカーを貼り、うち1編成を東京都内の車両基地で公開した。引退まで、この姿で走らせるという。

 
300系は、車体をアルミ合金にすることで軽量化を実現。従来より50キロ速い270キロで、東京―新大阪を2時間半で駆け抜けた。


 3月16日は、JR東海と西日本が別々にイベントを開く。東海道新幹線では午前10時47分発新大阪行きの「のぞみ329号」がラストランとなる。全席指定で、2月16日午前10時から乗車券を販売。約1分で1323席分が完売した。