十和田観光電鉄ラストラン 青森、89年の歴史に幕

 青森県十和田観光電鉄十和田市―三沢、14.7キロ)が31日、最後の運行を終え、89年の歴史に幕を閉じた。三沢駅午後9時発の最終列車には、前日に並んで乗車整理券を手に入れたファンら約120人が乗り込み、別れを惜しんだ。


 通勤や通学など地域交通を担ってきた同電鉄は、少子化に加え、東北新幹線七戸十和田駅の開業が乗客減に響いて、昨年10月に廃線が決まった。


 1日からは、十和田市三沢市中心部を結ぶ代替バスが運行される。


岩泉線廃線、地元に反発・落胆 「残念で悔しい」 岩手

 JR東日本が2010年の事故の復旧に130億円が見込まれるなどとして、岩泉線廃線の方針を明らかにした30日、沿線の岩手県岩泉町や宮古市で反発や落胆が広がった。伊達勝身町長は記者会見し「並行する国道が整備されて安全ならともかく、手を付けてこなかった県の怠慢もある」と怒りをぶちまけた。


 達増拓也知事は「鉄道の早期復旧を要望してきただけに、大変残念」との談話を出した。近く山本正徳宮古市長、伊達町長と会い、鉄路復旧を求める考えを確認する。今後、(1)復旧費用と沿線の危険度の検証(2)地域住民への説明の申し入れ(3)国に対しJRへの指導、助言の申し入れ――を行う。山本市長も「今後、駅を中心にした街づくりで地元も協力する」と話した。


 これに対し、盛岡支社で会見したJR東日本の石司次男・副社長は、代替輸送はバスが有力で、乗車賃は鉄道運賃と同額にするなど廃止を前提に説明。「鉄道より時間はかかるが、現在のマイクロバスでの輸送は順調だ」と話した。地元と協議し国に届け出れば1年後、正式に廃線が決まる。


高松駅が「うどん県」に便乗 「さぬき高松うどん駅」に

 高松市のJR高松駅の愛称が29日、「さぬき高松うどん駅」になった。香川県が売り出し中の「うどん県」に便乗した形。駅名の看板も書き加えられた。


 駅員はうどん柄のネクタイや、うどんをデザインしたバッジを着用。「うどん県」副知事の俳優・要潤さんを描いた快速列車の運行も始まった。


 最初は「さぬきうどん駅」の予定だったが「香川はうどんだけじゃない」との声を受け変更。「確かにうどんだけじゃすぐ冷めますからね」とJR職員。


IC乗車券で浮気調査? 履歴照会「悪用」指南サイトも

 IC乗車券の利用履歴をネット上で見られるサービスが今月、首都圏で停止された。どうやら、「個人情報」がごく身近なところで漏れているらしい。


パスモはHP照会停止


 首都圏の私鉄、バス事業者100社が加盟する「パスモ協議会」は3月1日午後4時過ぎ、IC乗車券「PASMOパスモ)」の乗車履歴をホームページ(HP)上で照会するサービスを停止した。


 記名のパスモや定期券を対象に、17桁のカード番号、氏名、生年月日、電話番号を入力して会員になると、約3カ月間分の乗車履歴や残高が見られるというサービスだった。JR東日本が2001年に始めた「Suica(スイカ)」にはない独自のサービスとして、パスモ導入時の07年3月に始まった。


 利用は無料で、協議会によると、約9万人が会員登録していた。だが、2月下旬、協議会はネット上で、このサービスの「悪用」を説くサイトを発見した。配偶者や恋人の「浮気の調査」に利用できる、というのだ。サービス停止に踏み切ったパスモ協議会は「実際に浮気調査に使われた報告や苦情は今のところないが、第三者に履歴を見られる危険性があると判断した」と説明する。サービス再開は未定だという。


 実は、「浮気調査」に使われる恐れがあるのは、このサービスだけではない。パスモやスイカのようなIC乗車券は、駅の券売機で乗車履歴を印字できる。交通費の領収書代わりにするなど本人の利用を想定したサービスだが、ネット上では「履歴で浮気チェック」といった使い方を勧めるサイトが簡単に見つかる。


変わる武蔵野線、進む沿線開発 「新しい街」に新駅誕生

 東京から埼玉、千葉を環状に結ぶJR武蔵野線に17日、「吉川美南(よしかわみなみ)駅」(埼玉県吉川市)が誕生した。長年、目立たない存在だった武蔵野線だが、最近は沿線開発が著しい。今回の新駅開業は、既存路線を改良し、特に東京郊外の路線網を強化するJR東日本の戦略の一環でもある。


 この日、吉川美南駅では早朝から、記念入場券を買い求める人たちの長い行列ができた。千葉県松戸市の会社員、上野裕さん(45)は「武蔵野線を利用するたび、沿線の変わりぶりに驚かされる。将来が楽しみです」と話した。


 市とJR東日本などは貨物専用の操車場跡地に71億円を投じ、新駅を建設した。広大な土地に「新しい街」をつくる計画だ。


「業平橋駅」から「スカイツリー駅」に 東武線が改名

 5月22日に開業する東京スカイツリー(東京都墨田区)の玄関口となる東武鉄道伊勢崎線の「業平橋駅」が17日、「とうきょうスカイツリー駅」に改称された。最終列車が出発した午前0時半すぎ、作業員がホームの駅名標から旧駅名のシールをはがすと、新しい駅名が現れた。古い駅名標は撤去した。


 業平橋駅は1910年から31年5月まで「浅草駅」だったが、現在の浅草駅が開業したのに伴い変更された。80年以上親しまれた駅名は住民の要望に応え、新しい駅名標にも「(旧業平橋)」として残した。浅草・押上―東武動物公園間には17日から、「東武スカイツリーライン」という路線の愛称も導入する。


新幹線客席のケータイ、○?×? JR東海と各社で差

 「車内では携帯電話の通話はご遠慮ください」。西日本の鉄道の乗客には聞き慣れたアナウンスだが、東海道新幹線(東京―新大阪)を運行するJR東海の電車は全国でも異例の「通話OK」だ。利用者のマナー向上を認め「差し支えない」との判断からだ。しかし他社に追随の動きはなく、車内ケータイをめぐる考えは分かれたままだ。


 「マナーモードに切り替えるなど、まわりのお客様のご迷惑とならないようにご協力をお願い致します」


 これが東海道新幹線のアナウンスだ。客席での通話も認めるようになった2003年10月から始めた。それまでは通話の際はデッキに向かうよう促していたが、やめた。JR東海が運行する東海3県と静岡県などの在来線でも、優先席付近で電源を切るよう呼びかけている以外、通話は禁じていない。