IC乗車券で浮気調査? 履歴照会「悪用」指南サイトも

 IC乗車券の利用履歴をネット上で見られるサービスが今月、首都圏で停止された。どうやら、「個人情報」がごく身近なところで漏れているらしい。


パスモはHP照会停止


 首都圏の私鉄、バス事業者100社が加盟する「パスモ協議会」は3月1日午後4時過ぎ、IC乗車券「PASMOパスモ)」の乗車履歴をホームページ(HP)上で照会するサービスを停止した。


 記名のパスモや定期券を対象に、17桁のカード番号、氏名、生年月日、電話番号を入力して会員になると、約3カ月間分の乗車履歴や残高が見られるというサービスだった。JR東日本が2001年に始めた「Suica(スイカ)」にはない独自のサービスとして、パスモ導入時の07年3月に始まった。


 利用は無料で、協議会によると、約9万人が会員登録していた。だが、2月下旬、協議会はネット上で、このサービスの「悪用」を説くサイトを発見した。配偶者や恋人の「浮気の調査」に利用できる、というのだ。サービス停止に踏み切ったパスモ協議会は「実際に浮気調査に使われた報告や苦情は今のところないが、第三者に履歴を見られる危険性があると判断した」と説明する。サービス再開は未定だという。


 実は、「浮気調査」に使われる恐れがあるのは、このサービスだけではない。パスモやスイカのようなIC乗車券は、駅の券売機で乗車履歴を印字できる。交通費の領収書代わりにするなど本人の利用を想定したサービスだが、ネット上では「履歴で浮気チェック」といった使い方を勧めるサイトが簡単に見つかる。