岩泉線廃線、地元に反発・落胆 「残念で悔しい」 岩手

 JR東日本が2010年の事故の復旧に130億円が見込まれるなどとして、岩泉線廃線の方針を明らかにした30日、沿線の岩手県岩泉町や宮古市で反発や落胆が広がった。伊達勝身町長は記者会見し「並行する国道が整備されて安全ならともかく、手を付けてこなかった県の怠慢もある」と怒りをぶちまけた。


 達増拓也知事は「鉄道の早期復旧を要望してきただけに、大変残念」との談話を出した。近く山本正徳宮古市長、伊達町長と会い、鉄路復旧を求める考えを確認する。今後、(1)復旧費用と沿線の危険度の検証(2)地域住民への説明の申し入れ(3)国に対しJRへの指導、助言の申し入れ――を行う。山本市長も「今後、駅を中心にした街づくりで地元も協力する」と話した。


 これに対し、盛岡支社で会見したJR東日本の石司次男・副社長は、代替輸送はバスが有力で、乗車賃は鉄道運賃と同額にするなど廃止を前提に説明。「鉄道より時間はかかるが、現在のマイクロバスでの輸送は順調だ」と話した。地元と協議し国に届け出れば1年後、正式に廃線が決まる。