高岡・黒部両市、新幹線駅名に苦悩 富山

 北陸新幹線の開業を前に、現在のJR駅と離れた場所に新駅が設置される富山県高岡市黒部市が、名称に頭を悩ませている。JRへの提出期限が迫る中、広域利用の視点から高岡市が県外を含め公募に踏み切る一方、黒部市は逆に周辺市町を気づかって慎重姿勢だ。


 高岡市の新駅はJR北陸線の現駅から南へ約1.5キロ。これまで周辺整備計画などで使用してきた仮称「新高岡駅」の取り扱いをめぐり、18日に有識者らを交えた駅名候補検討委員会を発足させる。


 公募と選考の基準などが議題とされるが、名称から「高岡」の文字の扱い方や候補の絞り込み方法について話し合い、来年2月には複数の駅名案を選んでJRに提出するという。


 駅名をめぐる論議はこれまで、「新」をつけるだけの駅名には新鮮さの点で抵抗感があるという意見がある一方、広域的なPRには「高岡」が外せない、などの声が上がっている。ほかに、「万葉」「越中」の言葉を入れる案や、能登、飛騨の地名を織り込む案も伝えられ、論議の行方は分からない状況という。

 
 新駅が現駅から4キロ離れる黒部市では、先に市議会が「黒部宇奈月温泉駅」との名称案を採択した。しかし、文字数の多さや近隣市町への配慮の点で市側は慎重姿勢を崩さず、公募の方針にも踏み切れていない。


 市の担当者は「議会の意見は尊重するが、広域的な視点からは慎重に扱わざるを得ない」として方針は明らかにしていない。JR側への提案は年度内が期限とみて、近く庁内や外部識者らを加えた検討委員会を設ける意向という。



新高岡(仮)



新黒部(仮)