折れにくい遮断棒で遅れ防止 JR西、破損事故65%減

 JR西日本は24日、独自開発した折れにくい材質の遮断棒を踏切に設置したところ、強引に通過する車などで棒が破損する被害が前年比で約65%減少したと発表した。折損被害が起きると復旧のために列車が遅れるため、認識しやすい警報灯設置や無謀横断を防ぐ啓発活動も進め、さらに減らしたいとしている。


 同社によると、今年3月から被害の多い管内1500カ所の踏切で、遮断棒の先端部分を曲がっても元に戻りやすい特殊な樹脂製に交換した。効果を確かめるため、昨年4月からの半年間で被害が特に多かった上位10カ所で今年と比較したところ、被害は57件から20件に減少。交換していない踏切も含めた全体でも約32%減少した。


 同社管内では昨年度、衝突事故以外の踏切内トラブルで約1100本が運休、約1万7千本が遅れて計380万人に影響した。遮断棒が折られると、修理が終わるまで徐行運転が求められるため、ダイヤが乱れるからだ。同社はこれまでも遮断棒を太くしたり、全方位から見える警報灯を導入したりする対策を実施。折損被害は昨年度、10年前の約半分の1856件に減った。同社は来年度中にさらに7割減を目指している。